A塾に通うこの家の例で見てみよう。まずは「入会金」が要る。A塾に子どもを通わせているこの家庭の場合、同じマンションの子どもがA塾に通っていたことで、その子どもからの紹介という事務処理になり、A塾入会金一万五〇〇〇円は免除になった。つぎは「知らないうちに費用が膨らむ」塾ならではのノウハウに親は苦悩することになる。中学受験塾を公文式や習い事などと同様に捉えていると、予期しない費用の負担に驚くことになる。最初は習い事感覚で週一回一時間、一教科月額八五〇〇円から始めたのに「二月は塾の新学期ですから」という、親としては何の要求もしていない塾側からの一方的な理由を言い渡され、机に視線を落とすと、目の前に契約書を差し出されている。「週一回二時間、一教科一万二五〇〇円」と書かれた紙にサインを促される。「週一時間のままで結構です」とは言い出せない雰囲気が知らない間に作られている。教材費は学年が上がると、一教科が二教科、そして四教科に増やされるのは必然だ。どの塾に通うにしても集団授業で四教科になれば月四万円は塾の授業料だけで消える。教材費は一教科で二〇〇〇円程度だが、一年で二〇〇〇円ポッキリとはならない。四半期、もしくは一学期などと、塾によって異なる切り替え時期に合わせてテキストを購入していかなければいけない。
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