お花やお茶が先生のするとおり真似る「かたち」から入るのと同じで、家風も「かたち」から入るのです。表面上は従っておき、なぜそうするのかを考えるようにします。そしてどうしても納得ができなかったら、心の中では「でも、私はちがう」と言いながら、たとえば、お客さまが来ると男だけが食べ飲み、女は世話をするもの、が家風なら「やがてはこんなふうにはしまい」と決心するのです。こうした経験は、深くものごとを考えさせ、あなたが成長するのに役に立つでしょう。くれぐれも、ムキになったり深刻になったり落ちこんだりしないように注意してください。新参者が加わった家庭は、静かだった池に小石が投げられたのと同じで、どうしても波風が立ちやすいものです。「こんなことなら家族は同居人とわりきったほうがどれほど気楽かわからない」と思うことがあるかもしれません。おたがいに「われ、関せず」で好き勝手な生活をする方法もあるでしょうが、それにはかなりの覚悟が必要です。家族になるということは、それなりの礼儀や手順をつくして、少しずつ少しずつおたがいを知っていくことだと思います。