ホプキンズ訴訟の陪審評決

2011.03.31

ドーバート基準は、その後の裁判に活かされたか。ドーバート訴訟の場合、最高裁判所はドーバート基準を示し、第9巡回控訴裁判所に差し戻したので(1993年)、同控訴裁判所はドーバート基準に従ってベンデクチンが先天性欠損の原因だという証言は容認できないと判断した。ホプキンズ訴訟の場合、同控訴裁判所はホプキンズ訴訟の専門家証言は容認できると判断し(1994年)、それに対し、ダウ・コーニングはドーバート基準に従っていないとして最高裁判所に申し立てを行ったが、却下され、同控訴裁判所の判決が確定した(1995年)。最高裁判所も第9巡回区控訴裁判所もその判決に一貫性かないのは、科学的証拠か容認される基準に絶えず混乱があることを示している。ドーバート訴訟での最高裁判所の判断を、より合理的な裁判の新時代の先駆けとなるのではと期待したかもしれない人達は、その後に起こった事柄に失望しただろう。一貫性の問題だけでなく、いろいろ考えさせられたにちがいない。1993年に最高裁判所はドーバート訴訟を第9巡回控訴裁判所へ差し戻す判決をした。偶然の一致だが、これは、豊胸材のホプキンズ訴訟で1994年に控訴を審理したのと同じ裁判所だった。ドーバート訴訟での最高裁判所の判断が下りた時期は、ホプキンズ訴訟の陪審評決のあとで、ダウ・コーニングの控訴の前だった。ダウ・コーニングは最高裁判所へ申し立てを行ったが、その最大の争点は、第9巡回区控訴裁判所がドーバートの基準に従うことを怠ったという点だった。これまで見てきたように、この第9巡回区控訴裁判所は、ドーバート裁判での最高裁判所の判断の後だったにもかかわらず、豊胸材のホプキンズ訴訟では専門家証言を容認できると判断した。ところが、そのちょうど1年後には、同裁判所は、ベンデクチンが先天性欠損の原因だという証言は容認できないと判断した。
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