社会でもっとも大量に使用される物質である鉄は、まず鉄鉱床から掘り出され、人類の活動に有用な「還元状態(金属鉄)」にされます。ここまでが製鉄会社の活動です。こうして価値の高くなった鉄は鉄橋やビル、自動車などに使用されて人類の活動を支え、やがて「酸化状態(錆)」に変化したり、疲労したり、小さく飛び散ったりしてその一生を終えます。使われたエネルギーは二酸化炭素と水になっているので、これはもう使うことができません。物質はその種類によって違っていて、使い終わった金属はある程度使えますが、プラスチックや繊維はその材料の性質上、もう一度材料として使用することはできません。この辺の詳細は本著の材料のところで説明します。たとえば、西ヨーロッパ全体では二千四百万トンのプラスチックが使用されていますが、使い終わったもののうち五〇パーセント弱が集中埋め立て、三〇パーセントが分散埋め立て、二○パーセントが焼却で、リサイクルは数パーセント行われています。