靴はその人の能力を映し出す

2011.07.09

投資家としても活躍するこのヴェンチャー経営者は、当然のことながら海外の金融関係者と会うことも多い。そのとき、相手は必ずこちらのファッションと着こなしを、一瞬のうちにチェックするという。「彼ら自身が高価なスーツを着ているか、それは別の問題です。しかし、彼らはビジネスの相手がきちんとした什立のスーツを着ているか、ドレスコードを理解しているか、そのことで冷徹な線引きをするのです。スーツももちろんですが、靴は重要ですね。丁寧に手入れされているかどうか、そこは厳しく見ています」靴といえば、クールビズの期間中、閣僚たちの足元はどうだったろうか。これまた哀しいことに、スーツ姿のときと同じ靴が散見された。また、クールビズとなった途端、茶系の靴が増えたことも気になった。ドレスコードが文化として血肉化されていないがゆえに生じた悲喜劇だ。茶色はあくまでもカントリーサイドの色、ましてや日本の中枢で国政に携わる人問が履く色とは思えない。あくまでも黒い靴で、しかもクールビズに相応しいコーディネイトを模索するべきだった。ところで、クールビズは第44回衆議院選挙に影響をあたえたのだろうか。郵政民営化をめぐって行われた総選挙は、自民党の圧勝だった。はたしてそれは「クールビズ効果」だったのか。ネクタイを外した小泉首相に対する信任であったとするなら、ウォームビズとなってネクタイを締めることは有権者に背を向ける行為ではあるまいか。小泉首相はクールビズ期間が終了し、ふたたびネクタイを締めて上衣を着たとき、「窮屈だね」と呟いた。それはそうだろう。小泉首相のシャツは、襟がとても硬くできている。かつてのフォーマルウェアに合わせるシャツを思わせるほどだ。そこにシルクの柔らかいネクタイを締めた場合、よほど体にフィットした仕立のシャツでなければ、窮屈に感じるのが当然だ。しかも小泉首相のスーツ、明らかにオーバーサイズである。サイズがゆったりしていれば楽なように感じるが、これは大きな誤解だ。体に合っていないスーツというのは、とても疲れる代物だ。そうしたことを棚上げして、「クールビズは楽だ。ネクタイは窮屈だ」と言い放つのは乱暴であろう。日本は明治維新で脱亜人欧を掲げ、洋装を公式のものとした。けれどもドレスコードという文化が根付くことはなく、そのために「日本だけでしか通用しない洋装」というチグハグが生ずることとなった。「自民党をぶっ壊す」と勇ましく宣言した小泉首相は、ドレスコードをぶっ壊して新しいドレスコードを創造しようとしたわけでもなさそうだ。クールビズを見るかぎり、繰り広げられた光景はやはり悲喜劇でしかない。

[参考情報]
スーツ・紳士服・礼服の通販
http://www.konaka.jp/
ボッテガ・ヴェネタ 公式オンラインストア
http://www.bottegaveneta.jp/ja_JP/shop-products
ボッテガ バッグ
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